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10月19日 炸裂もうすぐハロウウィンで、花火が炸裂しますが、
拙の体内で炸裂したのは持病。
1度に3つの症状。
そのうちの一つは昨年入院した腎臓結石と同じお民、いや痛み。
一年前に貰った常備薬が役立ちました。
腹の具合も悪いのに、一日中水をがぶ飲みして、なんとか症状を和らげる。
致命的ではないとは言え、あの痛みを味わうくらいなら殺してもらいたいほど。
見通しの効かない仕事にも悩まされております。
そんなわけで、明日の更新も難しいかもしれません。
明日は身体中に薬を詰め込んでちょっと遠い仕事先へ。
帰りにはBrewer Streetの「らいすわいん」でカルピスならぬカルピコを購入したいが、そんな余力や時間があるものやら。
ロンドンの空は既に冬の低い空、乾かぬ路面、濡れ落ち葉、この気候は心にも身にも染みる、沁みる、そして凍みる。
冬眠状態になるので、口にするものはすべて蓄えてしまう。身体も重い。
うー、大嫌いな冬が炸裂する。春は5月。冬の描写をすると、電話口で母は言う「まるで雪国だね」
短い夏の良い所が完全に忘れ去られるこの季節になると必ず思うこと・・・・、この国が好きな人の気が知れん。
もう一つ、炸裂するお報せ。
以下、熊本に住む友人のコンサートです。
県庁ロビーコンサート ♪
中年の星☆
ギターオヤジ伝説
懐かしの80年代
青春のギターサウンドで、お昼休みのひとときをお楽しみください。
お問い合わせ先;熊本県地域振興部文化企画課 事業推進班(担当;土井さん)
℡ 096-333-2154(日本国内)
出演者 ;
【小川 謙一】(おがわ けんいち) 1963年生まれ。かぐや姫解散後のサザン、ユーミン世代。 ある日、高中正義の「虹伝説」を聞いて感動、以来大ファンになる。 その後、東京で会社勤めのかたわらギターを弾き、イベント等で演奏を披露。 熊本にUターン後も、「ギターと機材を担いでどこへでも」 というスタンスで 演奏活動を継続、地元の温泉でホールコンサート等に出演している。現在、県嘱託職員。
あれ?日時は? それは後日。 5月23日 リハビリ
この季節の日本では、
「冷やし中華始めました」
と店頭に掲載される頃でしょうか。 ラーメン屋さんにとって、手間が掛かるだけにあまり歓迎されない商品ですけど、 自分で作ってみれば、やたら高価であることも頷ける話です。 でも、タレは自家製が一番だし、具を選べるので、 美味い冷やし中華は自分で作るに限ります。
そんでもって、拙は、
「リハビリ始めました」
去る土日、我が英国野球狂団は、イングランド内の7団体と総当たり戦で、 準優勝を収めました。 出られなかった拙は、カントクに連絡すると、 1点差で優勝逃して、めちゃ悔しそうでした。 拙は来週から戻る予定ですが、 なんだか責任重いな、と。
まあ、そんなことで、 右太腿肉離れがだいぶ良くなってきたので、 スポーツジム通いを再開したのです。 普段から泳ぐだけでしたが、 最近は右太腿を使わないストレッチと筋肉トレーニングをしています。 ストレッチは身体が柔らかくなるのが実感できるし、 やった後の爽快感が好きなので、やろうと思えば1時間でも続けられるのですが、 筋トレはどうも苦手。 ツマンナイです。
最近の機械の種類にも戸惑います。笑っちゃうほど、機能分担が分かれていて、人間のお肉を膨らませるのに、なんて大仰で、なんてハイテクなんだろうと呆れてしまうほどです。
You start! pi-pi-pi! wrong application training should be terminated.
とロボットが冷たいネエちゃん声で繰り返します。
だから、皆さん筋トレ後に、身体をリラックスさせるために水泳に来るんだな、と判りましたが、筋トレ後の彼ら/彼女らは例外なくリズム感がなく、水泳は「あれれ?」あの筋肉は見かけ倒し? ←の機械は全機能マルチトレーニングマシンということですが、こんなもんじゃ言い表せないほど多種多様で無駄なマシンが置かれています。(撮影厳禁でした)
毎日同じ時刻に来るイタリアン・フェイスの郵便配達人は、瞬きの度に睫毛がバチバチ音を立てるキリンさんの目をした端正な顔立ちで、均整の取れた肉体をしているせいか、脚の短さが気になりません。でも、仕上げの水泳では、溺れたような泳ぎっぷり。見かけが運動神経を補いうるのだろうか、なんてことを言うと、僻みっぽいか。(そうだ。ヒガミだ)
拙もさらに筋肉をつけて、もっと豪快な本塁打を飛ばそうと思えば、それが筋トレの動機付けになるんでしょうが、
バッティングはむしろ技だからなあとか、筋肉が老化しているから鍛え方が難しいなあ、と考えると筋トレをする意味はないという気がします。
鍛えても一過性になりそうだし、もっと継続的に、道具を使わないで、 楽しくやれるんだったら良いけど、まず単調な繰り替えしが苦手なんすね。
何よりも時間が惜しい。
時間と言えば、拙は1キロ泳ぐのに20分使います。 この20分間は自己管理で作り出します。 ほとんどクロールですが、40往復といえども、泳法やリズムを変え、その日の課題を抱えて泳ぎますから、単調になりません。水泳はどっと汗も出るし、使う筋肉が多いので、短時間で効率的です。 しかも、がむしゃらに、集中して泳いだ後の脳の働きはかなり快活。 そのため、昼食後の空いている時間帯を狙って泳ぐんですが、常連さんは本当に少ないです。
先日、BBCの番組で見たんですが、「スポーツジムに登録している60%の人々がその費用を無駄にしている」ということです。
もちろん、英国内での話です。主理由が、その時間の作り方が難しいので、年に数回しか行かないとのことでした。
生活のどこにプライオリティを置くか、ということなんでしょうけどね。
で、健康を維持する運動や、気分転換の運動なら、自宅でも道端でも出来る、と具体的に出来ることも紹介していました。
そう言われると、工夫が足らないのかな、という気分になりますが、在宅勤務の多い身の上、ずっと家の中に居るのはイヤだし、大量の水に触れる爽快感はプールでないと味わえないな、と。
新聞配達していた子供の頃には、自転車から降りて、いちいち門扉を開けるのが面倒なので、120~130cmの高さを飛び越え、音もなく玄関先に着地していたら、「猿か犬が飛び込んで来たのかと思った」と叱られたことがあります。門扉にはノータッチなのに、「壊れるからやめてくれ、お前みたいな貧乏人に弁償できないだろう」と言われたこともあります。
これもある意味、単調さを避ける日常の工夫でしたけど、こんな芸当、今は出来ません。「やれ!」と仰るのなら、命と引き換えです。
スポーツジムのドアを開けると、コーラの自販があります。 値段を見て笑ってください。 500ccのコーラ、邦貨で2万7千円也。
ここ~! しかも、値札はみ出ているし。
コーラと引き換えに、スーツ買えるぜ!
応援する?http://blog.with2.net/link.php?29834
5月11日 飛蚊症今年になってからアクセス数は激減しているので、思ったより数字は伸びていません。
一日のアクセスは1位近辺だった頃や昨年の暮れまでは、
日に500以上ありましたが、今では200~300前後。
記事の書き方は明らかに影響しているなあ、と感じます。
でも、負担のない方法を取らないと、
収入とは関係ない趣味の範囲にはならないしね。
これまでの経過を、「本日の最多アクセス賞」をあげたくなる「けいこさん」の例で言うと、
アクセス時刻は、日本時間で
11.04で99433番目、
12.51で99448番め、
22.47で99645番目
23.52で99655番目。
けいこさん、たくさんアクセスしていますが、人差し指大丈夫?
昼間のアクセス数は少ないんですが、
日本の朝と夜9時以降に増えるようです。
それから英国時間の23時ごろ。
10日のアクセス総数は260でした。
だから、10万人目は明日の今頃か、もうちょっと後かもよ。
特にお断りしておきたいことは、
このブログの支持者となって下さっている
英国特集の編集長や麻子・スチュワードさんとの関係上、
公正にジャッジさせていただきますので、悪しからず。
えーと、アクセス情報の記録を取っておく方法ってあんのかな。
ログログすればいいかな?
さて、ついでにお題、
持病と怪我が炸裂する今日この頃、
目の検査の順番がようやく回って来た。
うにさんのブログ「ウニウニ」で以前紹介されていた目の病気、飛蚊症。
と言っても、大半が大したものではないらしい。
目の中を舞う蚊の数がやたらに増えたり、キラキラ、チラチラしたものが見えてきたり、痛みが伴う場合は、網膜はく離の可能性があるので、検査を受ける必要がある。
で、拙はそれらの症状を満喫してしまった。
片目とは言え、目の機能が低下することでもあれば、仕事には致命的だ。
飛蚊症は英語でEye Floatersで良いと思う。
もちろん、大きな辞書を見てもこんな言葉は訳されていない。
どうやって判ったかは忘れた。
時々便利なのは、Wykipedia。
まず、日本語版で「飛蚊症」と検索してから、
「他の言語」の項目から英語を選択する。
Wykipediaの内容がイマイチだったら、さらにググって、英文でいろんなサイトを眺められる。
実は、この症状で受診したのは2度。
1度目は診療医(GP)に消毒性の強い目薬を処方してもらうだけで、引き下がった。
しかし、2週間しても改善しないので、
再びGPに行くときに用意した言葉は、
「日本で眼科医をしている友人に、網膜はく離の可能性がないかどうか調べてもらうべきだ、
と言われた」
というもの。
だが、眼科医の友人などいない。
知人に眼科の研究医ならいるが、こいつは学究生活と出世しか頭にないから、
せっかくの美人の奥さんも、奴にそっくりの娘も「友達親子」のテレビ出演を狙って、二人で原宿を歩いている。
拙は英国の医師に作り話をしているわけだが、切実な問題であることは事実だ。
実際、ウェブ診断などを読むと、その症状なら検査を受けるべきだ、と書いてある。
背に腹は、水に油は、カツ丼にトンカツ定食は、替えられない。
卵でとじてしまうと、もうトンカツには戻れないのだ。(なんの話か?)
ともかく、こういう調べようのない作り話をすることで、
GPの医師たちはプレッシャを受けるらしく、検査など、次のステップに進みやすくなる。
英国の医療事情の評判を、さらに下げたくないという心理が働くのかもしれない。
で、約ひと月待ちで検査を受けて来たが、
結果は異常なし。
飛蚊の原因は老化による眼球内のゼリーの散乱とのこと。
この検査では、瞳孔を開かせる薬を使用したため、
病院から出るなり、世界はとても眩しかった。
検査結果が陰性だったから世の中がばら色に見えたのだろうか?
普段は曇っている英国なのに、
こんなときに限って晴れている。
サングラスを掛けても眩しい。
脚の痛みと、目が眩んで歩けない東洋人の大男。
何もかもが、スパークしたように白っぽく見える。
このまま白い世界の中で引き裂かれそうな気分になる。
実際に、引き裂かれていたのは太腿の肉。
歩くのが辛いので、たった1.6キロの道のりのためにバス停に向かう。
初乗り£1.50(300円)って、高け!
予め、注意書きには「検査後12時間は運転不可」と書かれていた。
徒歩、または臭い公共交通機関に頼るしかなかった。 そう言えば、学生の頃、3ヶ月間だけ働いたバイト先の中華料理屋で、
上半身を露(あらわ)にして、まかないメシを食べている時に、
「食ったら、お前の肉が一番旨そうだ」
と陳健一みたいなシェフに言われて胸筋をパシパシ叩かれたことがある。
でも、内出血を起こしている今の腿肉は不味いだろうなあ。
筋トレして、力こぶを作っている人々を見て思うのは、
「食ったら、硬くて不味いだろうなあ」 ということ。
遭難でもしない限り、人肉を食らうことはないだろう。
肉は羊のように、若い頃の方が柔かくて旨い。
牛なら、タルタルステーキかユッケだが、
やはり子牛が格別。
デミグラスソースとナツメグでニオイをごまかしたハンバーグの方が旨いという向きもいるが・・。
などど、どうでもいいことを考えながら、家路を辿る。
実は、脚の診察に続いて目の検査、実は同じ日に受けた。
びっこを引きながら、
ありえない眩しさに耐える。(要反転)
そして、身体にもうひとつの異常。
ああ、処方薬の副作用かな。
高校生物の知識に間違いなければ、
外肺葉と内胚葉のつなぎ目に由来する器官に異常と痛みを感じる。
この身体も手間が掛かるようになったもんだ。 英国の病院システムに対応していくのは、
ドラマ抜きでは語りきれない。
さて、応援クリックでも?http://blog.with2.net/link.php?29834
3月19日 入院しちゃいました、この2日間、救急病院に行くこと2回、
1度目の検査後は彼らの「ルール」に従って、処方箋を受けて帰宅しました。
それでも、体調は改善しないどころか悪化しているので、
翌日は救急車でもう一度行くと、
2名の医師のうち一人が昨日の医師と同じことを言いやがりました。
「違う痛み止めを処方してもらって、様子を見ながらGP(診療医)に相談して下さい」
「その言葉を繰り返すだけで、医師が勤まるんですか? 他に可能性は考えられないのですか? あるとしたら、その可能性をチェックする方法を取ってくれませんか?」
この言葉で、2名の医師はようやく違う方向に頭を働かせてくれました。
頭はあるんだろうけど、彼らの頭の中は査定にも関わる「財政削減」意識。
NHS(英国健康保険)の財政負担が
できるだけ軽減化されるようにパフォーマンスをしないと個人評価に影響するんです。
それにしちゃ、無駄な薬をいっぱい出しているじゃん。
とにかく、
ようやく外科医が来て、触診をしたところ、
「検査で何も問題がないのに、この症状が出るということは、何か別の異常があるということだから、スキャンを取りましょう」
痛みが発生してから2日半、救急に2度、主治医と3度連絡を取って、
何度も同じ症状を訴え続けた上で、ようやくたどり着いたまともな応対でした。
これで検査入院が決まり。
既に、病人の妻も、付き添う拙もクタクタ。
英国のこの医療事情の悪さは、あちこちで語られていますが、
「英国のNHSで使う英語表現集」
という本を書こうかな、
と考えさせるほど、自己防衛のノウハウが求められます。
その本で儲けたら、有料診療に登録しようかな。
買ってくれる?
ちなみに、妻の病因はまだ究明中です。
判っても非公開にすると思いますけどね。
3月18日 今度は妻、この2年間で我が家の救急病院の利用回数は、
息子が怪我で3回、
拙が結石で1回、
妻が怪我と昨晩の体調不良で2回目、
計6回となりました。
こちらは英国国民健康保険のシステムをサポートしようとしているんですが、
今のところ、お世話になりっ放しなわけです。
まあ、日本で医者に掛かる費用と比較すれば、
同等以上の税金払っていますからね。
健康な方が損な感じという人もいるくらいの英国保険事情。
お世話になっているのに、言うのも何なんですが、
やはり医療サービスの質には疑問があります。
昨晩の12時頃、
妻を車に乗せて救急病院に行きました。
すぐに看護婦と話が出来たんですが、容態を述べ、血圧を測られて、
その後、硬い椅子の待合室で2時間半待たされました。
ようやく順番が来て、検査したけど、
重病の可能性はなしとのこと。
医師とひと悶着して、明け方帰宅。
でも、問題は解決せず。
まあ、そんなわけなんで、更新はしばらく途絶えるかも、・・・です。
あるいは、今まで通り息抜きに来るかも、です。
日本のお医者さんの意見を聞きたいけど、なかなか連絡取れないんだよな。
9月18日 体験!英国民健康保険それにしても、 たった5日間の入院なのに、こんなにたくさん書くことが出てくるのはどういうことだろう。
これでもかなり端折っているつもりだ。
世の中とは、英国とは、それほど刺激的なのだろうか。
入院4泊のうち、3泊目の夜中のことを語っていないことに気づいた。
夕方までに2つのベッドが空いたので、皆で今度はどんな人たちが入って来るだろうか、などとどうにもならないことを語り合っていた。
そして、その夜こそ眠れるだろうと、床に就き、テレビを点けてどうでも良い映画を眺めていた。12時半ごろ、やっと睡魔に襲われて眠りにつく。
日ごろから拙の睡眠を導くモノはなかなか訪れない。睡魔とは、きっと怠惰な男なのか。
眠りに就いたのも束の間、暗闇の中にドヤドヤと黒いヒトの群れが入って来る。
拙のベッドは一番奥の窓側だが、入口からすベてを見渡せる位置にある。
黒いヒトの群れはコソコソと語りながら、やがて搬入されたベッドからは身の丈2mほどの大男のシルエットが見えた。そのシルエットはぬぼーっと立ち上がり、拙の対岸の空きベッドに倒れこんで、悶絶した。彼の身体には多くの医療器具が取り付けられて行く。
(暴力事件でも起こして、刺されて入ってきたのかなあ)
などとぼんやりと考えていたが、そのまま眠りについた。
しかし、ほどなくして、またもやヒトの気配。
もうひとつの空きベッドにヒトが入って来た。それも拙のすぐ隣である。看護婦はサッとカーテンを引いてしまったので、詳細は見えない。見たくないしね。
何時?
と思って腕時計を光らせてみると3時。
このペースでヒトが入って来ると・・・と考えたところで、ベッドはいっぱいになったわけで、もうこれで騒ぎは終わりなわけだ。
ただ、気になったのはその人物が暗がりの中でも包帯だらけに見えたことだった。
朝は例によって、6時に看護婦が薬箱のトロリーを押しながら、入室。部屋の真中で、クスリの叩き売りを始めるが如く、それぞれの患者に処方されたクスリを分配する。
見ると、両隣はまだ寝ている。来たのは真夜中だもんなあ。お疲れさんだろう。
朝食の時間は8時半から9時開始とかなり大雑把で、この時間までに巡回も来る。医師たちの朝も早い。
コンサルタントは居なかったが、昨日、拙の話を遮った副コンサルタントが話しかけて来た。
「これからの健康管理についてアドバイスをしたいが、どんな仕事をしているのかね?」
この医師、拙の職業を聞いてから態度が変わった。そして、拙の英語に訝ることもなく、専門用語を並びたてた。拙だって、今回の病気のコトバはもう抑えてあるもんね。すべてのコトバに反応してやると、ますます態度が柔らかくなった。
医師とて、怖いものはあるんだなあ。 医療過誤なんか日常茶飯事だしね。だから、拙は退院後の検査を勝ち取ったのかもしれない。でも、それは考えすぎかもしれない。 そして、
昨晩入室の彼らもこの時間までに起き、3時に入室して来た男性のところには再びカーテンが引かれ、医師たちが5,6名入る。
「えーと、サイモンだね。具合は?」
「ん、ああ、大丈夫です。なんとか・・・」
「今日は様子を見ましょう。明日には退院できると思いますが、X線などの検査と破傷風の治療を今日中にします。それにしても災難でしたね」
と言ったところで、警察が2名カーテンの中へ。
彼らの話を聞いていると、どうやらサイモンは夜中に音楽の騒音を出す隣人に注意しに行ったら、ナイフでいきなり数箇所刺されたそうだ。
サイモンの住む地域は閑静な住宅街でそういうことが起こりそうもないところなんだが、見知らぬ隣人は狂気を持っていたのかも知れない。これからの法的請求手続きのためにサイモンは忙しくなるのだろう。サイモンは多く語らずに翌日早々に去って行ったが、シャワーも浴びられずに気の毒だった。
もうひとりの入室者は急性虫垂炎のクレイグという18歳の坊や。2mはいささかでかいが、ピンクのホッペに意外に頭の回転の良い、楽しい息子だった。隣のベッドの63歳のマイケルと一日中話していて楽しそうだった。こうやってみると、ヒトは外見では分からないなあ、と思った。
彼ら2名のことを特筆する必要もないんだが、とても良いヒトたちだったので、印象的だった。
妻がデジカメを持ってきてくれなかったので、ケータイで撮影したが、間違えて全部消してしまった。ここに書き残さなければ、きっと全部忘れてしまうだろう。
そういう意味では、ブログは備忘録の役にも立つ。許されたし。
患者たちにもいろいろな意識の違いがあった。
特にマイケルの病院の使い方は徹底している。
彼は決して過度に要求する(demanding)わけではないが、正当な権利として請求する、つまりクレーム(Claim)する姿勢が首尾一貫して分かりやすかった。この英国社会の構図を良く理解しているからだろう。
マイケルは胆石を患っているので、施術前の様々な処置を受けていた。食事も彼には重要なポイントで、医師に指示されたものしか食べられない。毎食は前日までに注文するのだが、一度としてマイケルには注文通りの食事が運ばれたことがない。これはこれでストレスだろう。栄養も取らなければならないので、彼のために厨房は改めて作り直すなんてこともざらにあった。
「アンタの間違いじゃないのは分かっているけど、私の食べられるものを持って来ておくれ」
と配膳係にも優しかった。
ところで、NHSには患者と接する会計窓口というものがない。つまり、無料なわけだ。
これは戦後チャーチルの後を引き継いだアトリー内閣が為した偉大な業績であり、「ゆりかごから墓場まで」の言葉さえ生み出した。
しかし、考えてみれば、マイケルはまだ現役のビジネスマンで高額な税金を払っている。
我々の年間支出を考えてみる。日本で掛かる医療保険と実際に医者に掛かる費用をなどを合計して換算してみると、英国に棲んでいて所得税40%、他に地方税、家屋税などの税金を払っているのと事情は変わらなくなる。福利厚生面ではどちらが安いかという比較をすれば、だいたい同じということ。
我々は払うべきものを払っているのだから、当然の権利として、要求したとおりの医療サービスを請求する権利があるわけだ。
だから、英国の医療費は決してタダではない。
タダではないが、NHSのオーガナイズ全体には「原価意識」が欠如している。
例えば、拙の退院は一日早くなるべきだったにも関わらず、何の連絡もないまま、一日半放置された。看護婦は「忘れてないわよ」というものの、アドミ(管理部門)のペーパー・ワークの問題である。その間、ベッドは拙が占領しているわけだし、食事は全部供給される。拙は病院のペーパー・ワークが終わるのを待っているに過ぎない。拙にも時間の浪費である。
原価意識のないところでオーガナイズされたNHSのやり方には、時間の無駄、費用の無駄、人件費の無駄が見えてくる。伝統的に償却観念に乏しいのがお国柄だ。
しょっちゅうNHSを利用するマイケルも同じコトを言っている。しかも、彼は言う。
「手術のウエイトリストに置かれることはある意味で死を宣告されるようなものだ。それで何人ものヒトが亡くなって行った。もちろん、病気によっては緊急性のないものもあるだろう。しかし、人間の身体は開いてみないと分からないことや、開いてみる直前まで気づかないことも多いんだよ。医師たちはまっすぐしか見ていない。ちょっと余計な事に気づけば、それは新たなるコストや責任を生むことになるからね」
マイケルの言うことを鵜呑みにするつもりはないが、こういう意識を持って、NHS(英国民健康保険)と付き合わないとならない英国民が大勢である。
外国人でありながら、居住権を有する拙もその中にいる。
病棟記はこれでおしまい。
応援してくだされ。http://blog.with2.net/link.php/29834 9月17日 病院という階層社会7日(水)の夕方は家族が全員で来てくれた。
レベッカの抱きしめ事件はこの時聞いた話。
ありがたいものだが、普段兼業主夫をしている身とあっては、彼らに不便をかけて申し訳ないという気持ちと、彼らに自律してもらいたいという気持ちとが合わさった。
拙は7歳で父を失っているから、生活面での独立心や自律は彼らの頃までにはかなり出来上がっていたと思う。小学生の頃から新聞配達をしていたので、小遣いというものを貰ったことはないし、学校の行事で母に参加を願ったこともない。バスケでは全国大会に出たが、大会期間中に「勉強しないで寝てばかりで良いのか」と叱られたこともある。
さて、
病院生活はヒエラルヒで成り立っている。
巡回する医師団にも職階はあるし、総合判断、専門判断をする医師に分けることも出来る。しかし、医療を担当する彼らの権限は、看護の世界では必ずしも絶対ではない。これはナイチンゲールの確立した看護学が徹底された国ならではのことだ。ナイチンゲールもそうだが、英国のシスター看護婦はインテリジェンスであり、数字に強い。また、ナイチンゲール自身が統計学の世界的権威であることは意外に知られていない。
一人の患者の厚生を考えた上で、医療上、看護上、業務上の最高のサービスが提供出来るようにアレンジするのが、決められた機能のそれぞれの役割であって、決定はTop to Bottomシステムのヒエラルヒ。
医師のトップはコンサルタントという職名だが、彼でも、婦長たるシスターに全幅の信頼を寄せている。病院経営上、本人たちの自衛も兼ねてそのチームワークは相当なもの、と見た。
今回、医師の職階を調べることは出来なかったが、スタッフの職階と構成を知ることは出来た。だが、それは必ずしもピラミッド形式にはならない。だが、看護の最高の権威はシスターである。以下12の役職。これだけ異なった制服があり、それで責任範囲や統括権威を示している。
Sister, Charge Nurse, Staff Nurse, Modern Matron, Male Nurse, Healcare Assitant, Ward Clerk, Physiotherapist, Porter, Specialist Nurse, Occupational Therapist, Student Nurse
ここをクリックすると、英国の看護婦協会のサイトに入る。職能がすべてリスト化されている。日本でもこんなオーガナイズはあるんだろうか?それにしても、給与まで凄く明快に権威付けされているのには頷くばかり。
シスターは医療にもかなり通じていて、高度な質問にも答えられる。そして、看護技術以上に人間としての完成度が高い、と思う。
実は、拙はコンサルタントとケンカしそうになった。
巡回に来た彼はその場でX線写真を見ながら、「手術しない」という判断をした。
しかも、彼の態度は御座なりで、追究を欠いていた。患者の安心よりも「医療費」の節約を考えていることが何よりも気に食わなかった。さらにインド系であるその医師の英語が判らないということもあった。
分からないので、謙虚にExcuse my Englishと言ったつもりだったのが、それが返って彼を刺激したのも事実。
彼の顔は一瞬強張った。
(こんなに権威であっても、英語に劣等感を持っているんだ)
彼の表情を読み取ったが、そのまま質問を続けようとした。
しかし、質問は同伴する副コンサルタントたちによって退けられた。
当然、拙は不満だ。
その時、咄嗟に助け舟を出したのが、シスターだった。
シスターは、兼ねてから拙と仲良くしていた研修医エマに目配せして、彼女に一言言わせた。
「後で、私が説明しておきます」
シスターも同様に、「後でお話に伺います」と平身低頭。
これでは怒りようもない。完璧な連携プレイだ。
学者バカの医師たちがこうして看護婦たちに支えられていることは推して知るべし。
後々、彼女たちとコンサルタント・ドクターとのコミュニケーションの難しさを知らされた。
やはり、医師やスタッフの多国籍・多民族化は、英国の病院並びにあらゆる産業に新たなスタンダードを作り、常にその見直しに追われているということだ。既成の価値観が定見化されていない英国社会の縮図がここに在る。
しかし、常識を超えた見識を持つシスターや研修医たちは知識も豊富で、ホスピタリティの志が高い。
そうでもない人々ももちろんいることは、夜中のX線撮影の件でも明らかだが、こういう人たちに出会えたことは怪我の巧妙かもしれぬ。
ところで、彼らを支える精神的な支柱となるのは、やはり教会のようだ。
8日(木)、暇を持て余して、仕事の資料を読んでいたら、それぞれのベッドに声を掛ける回る貧相なジイサンと目が合ってしまった。
この病院が18世紀の創設当初から関わっている教会の職員で、Chapaincyというタイトルだった。Chaplainとは従軍牧師という意味もある。死刑執行の前に罪人とともに祈る教戒師という意味もある。彼は病院内で不安を抱える人々の心の平穏を助ける役割をする。
止せばいいのに、拙は、この牧師並の人物に原始仏教観について、とうとうと説いてしまった。いや、何も彼が興味を示さなかったらそんなことはしなかった。
そして、拙のキリスト教観と今置かれた状況を延べると、「アナタは自分の思想や考えで自己を律するヒトだ。でも、興味があったらいつでも連絡して下さい」と言って資料だけ置いて帰ってくれた。
彼のような存在をあり難がるヒトも少なくないし、病院創設の精神がいまだにこうして残っていることに静かな感動を覚えずにはいられなかった。その昔、こういう病院はほとんどが貴族の社会貢献(ノブレス・オブライジ)として建てられたものだ。拙の世話になったMayday Hospitalも例外ではない。
病院の精神的な背景にはこういうところあったのだなあ、と知らされた一幕。
わき腹の痛みは8日までにほとんど消え、何度か排泄しているうち感じていた不快感や痛みも消えて来た。
どうやら、結石は排泄されたか、溶解されたらしい。
溶解?と思われた向きもあるだろうが、結晶の原因はカルシウムや酸化物だけではないらしい。塩結晶のように解ける結晶もあるのだそうだ。
施術の必要はなく、一月後の再検診が約束され、非常用のクスリが提供された。
現状ではこれで万全とするべし。
もっと何かが起きるだろうと期待していた方々、以上が顛末です。期待させてしまって、申し訳ない。
英国の医療事情がよく判って頂けたものと思います。
さらに、追記すると、昨日(16日)に病院からこの件についての次回検診の予約状が届いた。
「検査予定日 2006年3月某日」
あれ?一月後じゃなかったの??
NHSはやはり費用に困りすぎているのだろうか。
まあ、クスリは貰ったし、いよいよおかしくなったら、また救急病棟の世話になるか。
でも、あの痛みは避けたいなあ。
もはや、諦めの境地。
明日は、病棟生活の追記とNHSを眺めていて思ったことなど。
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9月16日 病棟生活かくして、牧歌は容態の急変により、45年の生涯を・・・・、
と言うと、今この記事を書いているのは誰?
メイルで直接連絡してくる連中数名が、
「で、いつ死ぬの?」
と拙の記述をフィクションのように楽しんでいやがりなさるものですから、つい・・・
持つべきものは良い友人たちって、ことで。
さて、気を取り直して、
7日(水)朝は6時ごろ、看護婦たちの喧騒で起きる。寝てから4時間後である。
健康時の睡眠時間はこんなもんであるが、今や疲れ切っている。
でも、どうせ、今一度起こされたって、昼間にいくらでも眠れるや。
と、処方された薬を受け取り、痛くなる前にさっさと飲んでしまう。
ぼんやりと同室の人たちの話を聞いている。
一番最初に話しかけて来たのは白髪白髭のオジイサン。何の病気で入院しているか忘れてしまったが、とにかく親切だった。このヒトは7日夕方に元気良く退院していった。
その隣のベッドにいたのが、胆石を患っている63歳のマイケル。言うことがイチイチ的を得ていて、しかも面白い。よく喋る。郷土史にも明るい。この人物がこの部屋を良い雰囲気にしていた。
さらに、拙とまったく同じ症状で入院し、翌日の8日に手術を受けるという45歳のステファン(ウェールズ系の名前)。やはり親切で、コトバ使いや配慮が細やかだ。彼は拙とまったく同じ症状で救急車で運ばれて来たのが、一日前。でも、気絶するほどの痛みではなかったとのこと。手術の詳細を語ってくれた。
他にもまったく喋らない変なオジサンがいたが、白髪のオジサンと一緒に退院した。もう一人、愛想だけいい黒人のオジサンがいて、彼は透析を受けていた。まだ入院しているだろう。
皆の話題は自分の健康と今日(7日)から始まるクリケット・テスト・マッチのことばかり。6人部屋の中央には大きな画面のテレビが置かれていて、マッチは朝10時半に始まると、これからの5日間を楽しむための語らいが始まった。拙はクリケットのことが判らないので聞き役になるだけだった。
ふと、思い出したのは、虫垂炎で聖路加に入院した時、毎日、高校野球地区予選をテレビで眺めていたこと。クリケットと野球の共通点は緑の芝と緩慢な空気と突然の歓声。
朝食の時間。昨日の朝よりも気分は良いものの、食べ物を見たくない。しかし、シフトが変わって朝出勤している聡明な婦長に促されて、食べてみることにした。メニューはシリアルやポリッジ、それに生パンにバターとジャムという具合だ。決してトーストは期待出来ない。冷めたらかえって不味いしね。
37時間ぶりに胃の中に食事を入れるので、かなりゆっくりと慎重に食べなければならない。腹痛はない。とにかくしっかりと食べようとした。それでも、胃はちょっと驚いていたようだ。変なオクビがたくさん出る。
この日は血液検査と更なるX線検査(これで5回目)、医師たちの問診とこれからの指示を受けるだけで、これまでの疲れを取ることに主きが置かれた。
昼食も取れた。どうやら、病院食は昼がメインのようだ。拙は辛くないチリコン・カーニーとライスを皿半分だけ食べられた。他のヒトたちはローストを食べている。
夕飯は、スープとロールパン。又はサンドイッチ。
意外なことに、どれも不味くない。いや、むしろ美味いので、驚いた。
病院食も変化したと古老マイケルも言っている。
皆がテスト・マッチを見ている間、拙は5回目のX線撮影に出かけたわけだが、ポーターが迎えに来た時間は何だったのだろうか。待ち時間は2時間近く、その間にクスリの効果は切れて来るわ、順番は迫っているわで、少々困惑した。X線の受付嬢に、窮状を訴えると、順番を早めにしてくれたようだ。撮影時には腹部はかなり痛くなっていた。
午後は巡回する数名の医師たちと会話、手術だの、小水で流れるだの、ヒトによって、いろいろなことを言う。不安になる。あの痛みだけはもうゴメンだ。最終的な判断は8日の午後、コンサルタントという一番偉い医師の判断で決まる。
ところで、息子の初日だった当日の7日、彼の学校でも拙の入院に関わることが起きた。「Dyslexiaという障害」で既出の友人ルイスのお姉さんは、プレップ・スクール(パブリック・スクールに入るための準備校)から受験して、息子と同じ学校の2学年上に編入して、その日が初日。息子を廊下で見つけるなり、
"Oh, poor boy. You must be so sad coz your father's been ill"
「可愛そうな子。お父さんが病気できっと寂しいでしょうね」
と言って、ひと目を憚らず、息子を抱きしめたそうな。息子の友人たちのネットワークで拙の病気の情報は意外なところに伝わっていたらしい。息子はとても戸惑ったそうだが、拙は羨ましいなあ、と。ルイスの姉ちゃんのレベッカはとても美人。もうすぐ14歳で見かけは大人です。それにしても、息子はモテモテだなあ。
明日は病院の人員構成について、
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9月15日 同室クスリと笑う「笑い薬」
そんなクスリがあったとしても、この痛みでは効かなかっただろう。
いや、ほんの冗談。40年前の赤塚ギャグ。
入院2泊目は、静かな普通病棟になった。
6人部屋は適度なスペースなので、気分転換になって良い。
テレビ電話の使い方も教えてくれようとしていたらしいが、拙が説明書を読んで、ガイダンスを聞いて、どんどん進めてしまうのを眺めていて、声を掛けなかった、ということから会話が始まったほど、拙はテキパキとしていたそうだ。
実際は妻に病棟名と決まったばかりのスケジュールを早めに教えて、明日は来なくても良いと連絡するつもりで急いでいた。しかも、夜9時にX線の撮影があるというので、それまでに一眠りしたかった。
6日の朝は軽く生食パンを食べたが、食後には気持ち悪くなって吐しゃ。だから、5日自宅の夕飯以来、6日の夕飯まで何も食べていない。(実際に翌7日の朝まで何も固形物は摂らず)それでも不思議と空腹感はなかった。点滴が効いていたのか。恐るべしブドウ糖。
夜9時になっても、X線撮影の迎えのポーターが来ないので、看護婦にX線の予定はどうなっているのか、と尋ねると、先ほど大量に急患が入ったから、1時間ほど待て、とのこと。
英国での1時間は1時間半から2時間を意味する。
眠いのを堪えて、10時ごろ看護婦に尋ねると、消灯しながら有色人種の婦長は言う。
「まだ、アナタのための準備は出来ていないわ」
「なんだ、それ。どういう意味だ?」
「そういう返事だったのよ」
「そんな返答を期待していないよ。それじゃアナタは電話と同じ役割じゃないか。患者のために考えることも出来ないのか」
(あー、みなさん、拙は結構毒舌だって、気づいているよね)
「とにかく待つしかないのよ」
拙は溜息をついて、1日3.5ポンドのテレビで映画を見ていた。映画が終わったのが、12時半。
看護婦たちのいるデスクまで行って、
「もう今日の撮影はないでしょ。寝かせてもらいますよ」
「いいえ、アナタは今日撮影しなくてはならないのよ」
「何言ってんだ。それは昨日の9時、もぅ4時間前の話だ。いい加減に寝かせろ」
と床に戻って10分ほどすると、ポーターがでかい声を張り上げて入室。
皆を起こした。
拙は皆に詫びて、車椅子に乗り込む。
「それにしても何故こんな時間なんだ」とポーター。
「それはこっちが聞きたいくらいだよ。なんでもIVU染色液の効果が無くなった直後にもう一度撮影する必要があるらしいよ」
「そんなことは俺の知ったこっちゃねえ」
「そうだよな。でも、アンタは大声を張り上げて、俺の部屋の住人を起こす必要も無かったよな」
「え、俺が大声だって?地声なんだよ。がはは」
屈託のない50代男はみっともない。
X線の撮影場所に行くと、拙以外は誰もいなかった。
途中通る、緊急病棟を見ても空きベッドがあるくらいで、医師たちの動きにも余裕が見られた。Dr.Sakaも見えた。拙は惚れてしまったのだろうか。潜在するモホッ気?いや、気にしないでくれ給へ。
看護婦たちの言っていた「準備が出来てない」ほど忙しかった様子を今となっては知る由もない。でも、何かが変だ。誰かが何かを忘れたか、見逃していたに違いない。
部屋に戻っても、すぐには眠れなかった。クスリの効果が切れたのだ。看護婦を呼んで、許容範囲のクスリを追加して貰い、しばしの就寝。
同室の人々は静かに寝息を立てている。
明日は学校に行く前の息子に電話しよう、寝る前にそう思ったことを覚えている。
息子よ。お前の晴れ姿を見たかったぞ。
んー、誰かの文体?
まだ、続く。
9月14日 普通病棟 Bensham Ward5日の8時半に発病してから、翌朝のことまでを3日間に分けて書いてしまった。
長すぎるかもしれないが、英国らしさを伝えるためには、こういうペースになる。
残り4日間でも、様々な問題提起があったので、今後も4日分では書ききれないだろう。
でも、本当の英国の姿が皆さんに伝わる筈。
さて、
6日(火)の明け方まで、うとうと寝ている拙を起こし続けるものは、わき腹の痛みのほかに、救急病棟の喧騒だった。緊急処置室から急患の雄叫びも聞こえて、この世の地獄に立ち向かう勇敢な看護士たちの姿を見た。患者とは地獄から引っ張られる立場にある人々か。
拙もそのひとりだった。
鎮痛剤も効いて来た。重さや熱さは残っているが、生きる希望が湧いて来た。
大げさな言い方かもしれないけど、悶絶する間は「ひと思いに」と思うほど苦しかった。
うとうとっとしては、激痛の発作が起こり目が覚める。そして、その痛みで気を失う。神よ、何でこんな回りくどいことをするのか?最初から寝かせてくれ。
ヒトにも拠るらしいが、拙のように気を失うほどの痛みになるヒトも少なくないらしい。
鎮痛剤も効き始めたのが飲み始めて5時間も経ってからのことで、発病から10時間ほど経過していた。
朝になって、医師と看護士やら他のスタッフの顔ぶれが変わっていた。
いつの間にか引継ぎも済ませていたのだろう。
痛みと疲れでまどろみながらも、救急病棟の喧騒の中で、職員たちの動きをぼんやりと眺めていた。
いきなり、精悍な顔つきの医師が近寄って来た。
「大丈夫ですか」
「クスリは効いて来ましたが、まだ痛い」
「どこですか?患部に触れていいですか?」
「どうぞ」
Sakaという名前の医師はドイツ人とパレスチナ人との混血。男惚れするほどのきりっとした表情。それでいて、患者を信頼に陥らせる笑み。外見だけでも完璧な医師。たぶん宗教団体の始祖に相応しい容貌だ。問診と触診のあとの雑談で、病院の中は患者もスタッフもすべてが多民族であることを語り合った時に知ったこと。
彼の話では、拙は結石を除去するために簡単な手術が必要だろう、とのことだった。
その時、役立ったのは電子辞書だった。
妻が気を利かせて入院荷物に入れておいたのだ。
普通のコミュニケーションであれば、分からない言葉が出ても推測することが出来る。しかし、こういう喧騒の中では知識や見識で自分を守る意識を持たなければ、医療従事者の負担にもなる。自分の身体について的確に理解するには、たとえ知っている医学用語でも再度確かめ、反芻し、考えを深める必要がある。但し、自らを不幸に導くような妄想は禁物。
日本では、海外で病気になった時に役立つ関係本がたくさん出版されている。メジャーに行く時の松井秀喜がナベサダに手向けられた本がそのひとつで、20年来のロングセラーとなっている。拙も何度となくその本に目を通したことはあるが、肝腎なところで役立たないという苛立ちの方が大きかったような気がする。英会話のノウハウ本は帯にもタスキにもならないが、枕やリサイクルにはなる。執筆依頼が来ても枕を作る気にならないので断り続けている。(あ、ご免。誰か気に障った?)
Saka医師との会話は、朦朧とした意識の中で何を調べたか忘れたが、この辞書がお守り代わりになった。
在英20年でもこんなもんである。
6日(火)の午前中はさらに検査。待ち時間の方が長い。その間出来るだけ寝る。
昼頃になって妻が来てくれた。仕事を休んだのだ。
命に関わることかもしれないので、午後は付き添ってくれるという。
しかし、意に反して、午後はIVUという問題のある組織を染めてX線撮影する検査で時間を取られただけだった。特に大きな進展はない。
体中にいろいろな液体が注入される。
その後、Dr.Sakaではない一人のアラブ系医師とアドミニストレーションのスタッフと話す程度で大きな進展はない。
「今晩9時にもう一度X線撮影をします。・・・それから、今日はこれから普通病棟に移動します」
そして、コトが起きたのは7時ごろで、妻は6時までに帰宅していた。子供たちもいるからねえ。
息子は明日(7日)が入学と始業だ。その準備もある。この日、息子は昨晩から拙宅に泊まりこんだ義父母の家に行ってから、ゴルフをして来たそうだ。息子はチビのくせに楽に90を切る。サッカーよりもこちらの方がプロに近いのではないか。
息子のことを思いつつ、ストレッチャーで運ばれて行った先は、Bensham Ward(ベンシャム病棟)。その昔、ある貴族がこの地域に作った病院をそれぞれの時代の有力貴族が継承していった名残がこの名前なのだそうだ。曲がりくねった廊下を通って行き着いたのは6人部屋。
着くなり、周囲の皆と簡単に挨拶、
病棟番号やら詳細を連絡しようと、ベッドの前にZライトのように張り出した備え付けのテレビ電話に自分の名前を登録する。
この頃になって、痛みは耐えうるものになっていた。発作の間隔も長くなって行った。検査と手術の可能性があるために食事が許されていないので、点滴の柱車(?名前不明)を杖のように持って、病棟内を歩いていたら、看護婦に見咎められた。
「女性もいるので、お尻の見える検査着だけでは歩き回らないで下さい」
「ああ、アナタも女性ですしね」
拙はてっきり「安静にしていろ」と注意されるものと思った。
検査着の下はトランクス一丁だったけど、お尻なんか見えていない。
テレビ電話は、実際、テレビと電話は別機能で、病院内にある自販機で、それぞれ別のプリペイドカードを購入しなくてはならない。歩いていたのは、そのため。
この電話とテレビのシステムは大変に重宝した。10年ほど前のヴァージン・アトランティック機が最初に導入した画面を思い出したが、あれはクレジットカードのみの支払いだったか。
ベッドはパラマウント社の起き上がりや上下移動する電動式。
(また、不謹慎な想像をした。どのホテルで、いつ頃のことか忘れたが、こういうベッドを上手く使ったポルノのデモを見たことがある。試してみたいと思ったことはあるが、今はそれどころではない)
NHSの病院なんか、どうせダメだろうと思っていただけに、この設備の充実振りに少々驚き。
入院中は設備に何の不便も感じなかった。
そして、同部屋の5名も気持ちよく拙を迎え入れてくれた。
明日は、同室の患者たちの話。
クスリは効いていても、下腹部はまだ焼け付くようだ。
応援クリックする?http://blog.with2.net/link.php/29834 9月13日 A&Eの実際引き続き病棟記、
「金払うから、早く処方箋をくれ」
という考えなら、最初からBUPAなどの有料診療保険に加入すればいい。
でも、長いこと病院で待たされて、痛みに耐えている時にも、同じことを言いたくなる。
もし、言ったらこんなコトバで返答されるだろう。
「NHS(国民健康保険)は皆さんの税金で賄われているので、請求は一切しません。所得の高低に関係なく、誰にでも公平です。我々の基準は如何に出来るだけ迅速に多くの患者を救うか、ということに置かれています」
痛みで気絶しそうなこの際、こんなコトバは聞きたくない。でも、実際NHSの運営はそういうレベルで行われているから、有料診療に加盟する財力がない我々一般の庶民は、この列の中に埋没して甘んじるしかない。或いはNHSを支持していると考えれば良いか。しかし、それはNHSのオーガナイズの悪さを受け入れるものではない。とりあえずの考え方だ。
とにかく、苦悩の続き、もとい、昨日「緊急病院A&E」の続き、
拙は救急車担架の待合室から昇格され、院内担架へと移され、さらに待合室で待たされた。それにしても長い列だなあ。
悶絶して壊すおそれのあるため、眼鏡を外していたから、何も見えなかったけど、事故で血まみれの身体がいくつも通り過ぎたそうだ。
実際、ここにも交通という戦争状態が恒常的に続いているんだな。政府と企業は年間1万人以上の交通事故死を見越した上で、自動車産業を振興している。それにインボルブしているのは、政府、健康保険、損害保険、自動車企業であって、金の循環が其の間で行われているのは日本も同じこと。製薬会社もある意味ではこの中のフローチャートに参加している。それが儲かる構造ってもんだ。
そうよ、だからアナタの命も減価償却として、ちゃんと計算に入っているんよ。
人生80年とはそういう意味なのさ。ギヒヒ。
緊急病棟に出入りする警察官も多い。しきりに「ドラッグ」というコトバが出てくる。NHSはドラッグの中毒者をサポートしない。交通事故でもシートベルトをしていない、などの過失に基づく場合の証明をするために、警察が調査のためにA&Eを頻繁に出入りする。
交通事故、ドラッグなどは国庫の大きな負担になっているから、免責事項に対して厳しくなっている。状況と場合に拠っては、当該者の保険料金負担をつり上げるための裏づけを取る調査を警察が委託されているようにも見える。
さて、話は待合室に戻る、
やがて、ベッドの空きを知らされた。
でも、そこはまだ緊急医療病棟。
最初の医師(インド系)が来て、容態を説明する。
こういうとき、妻がいてくれて助かる。
この程度のコミュニケーションにはもちろん困らないが、一旦コトバに詰まると、大事な事を言いそびれてしまう。
だから、伝えるべきどんな小さなことでも、拙は文書にして手帳に書き込んでおく。
日本語の状況でも、医師に掛かるときはそうするね。
大事なことを言い忘れるほど不始末で気持ちの悪いことはないから。
割とすぐにクスリが来た。
しかし、飲んでも効かない。
拙はまだ悶絶していた。
1時間経っても効かない、と言うと、また違う医師(パキスタン系)が来た。
また同じ質問。
X線と血液検査をしようということになって、クスリは検査後までのお預け。
痛いよ~。
時々気を失う。
時間を聞くと、もう夜中の1時、
X線ルームは10箇所あって、待合には30名ほど並んでいる、と妻が言う。
真夜中だぜ。
それでも撮影は割とすぐに終わって、診察結果は「腎臓結石かなあ?」
「かなあ?」ってなんですか?
はっきり写ってないらしい。
でも、症状はそのものだから、と、今度のパキスタン系医師はさらに強めの痛み止めと抗生剤を出してくれた。出来ることは石をなんとかして取り出すことしかないが、痛み止めで当座は普通に戻る筈、とのこと。
「あ、それから水をたくさん飲んでくださいね。看護婦にも言っておきますから、水道水を浴びるほど飲んで下さい。見えない程度の石ならそのまま出ちゃうこともありますからね」
医師たちの英語は判りやすかった。若くて、しっかりした移住2世だから、コトバはイギリス英語だ。
実は、英国の医療事情で困ることのひとつはこの言葉。
子供の頃、移住して来た外国人には母国語のお国訛りが残る。
拙は差別意識を持っているわけではないが、聞き取れない英語に直面する苦痛と困難なコミュニケをしばしば経験している。
日本からの旅行者ならば、ヒースローのイミグレーションで経験するだろう。本当に何を言っているのかが、分からないことがある。中でも凄いのはタミル語族の話す英語・・・らしい。実際、凄い。イントネーションやリズムの配慮もしないから、まったく判らない。でも、タミル語って日本語のルーツって言われる言語のひとつだろって。
さて、話を戻す。
ベッドも決まって、医師が今後の手続きを述べるにつけ、妻はタクシーを呼び出して帰宅。
罪悪感だなあ~。いつも早く寝るヒトなのに。
院内では使ってはいけない携帯にメッセージが入る。
「朝3時半に無事帰宅」とのこと。
痛みは完全には消えないし、おくびが出て気持ち悪い。
朝まで一人耐える。やっぱ死ぬ時は一人だな、などと考える。
同時に昇天できないのは、あれもこれも同じと不謹慎なことを無気力に考える。
時々寝る。脂っぽい顔に流れる汗を感じる。風呂入りてぇ。
それにしても、救急病棟は阿鼻叫喚の世界。明らかに麻薬でラリッているバカ娘が警察官と医師に囲まれて、「私何もしてな~い。帰りた~い。えーん。お腹空いたぁ~」と情けない呻くような声を出し続ける。ああ、彼女を黙らせてくれ。こちらまで憂鬱になる。有料診療にしたら、こんな奴は来れなくなる。
血まみれのヒトが通り過ぎる。その一方、暫く安静にしていたヒトのところに医師が立ち寄るなり、やおら、上位医師の名前を叫んで、一斉にカーテンで囲む。カーテンの中には看護婦や医師が次々と入っていく。まるでラグビーのモールのようだ。
暫くすると、付き添いの女性の嗚咽。
ああ、亡くなったのか。
暫し、合掌・・・。
それにしても、まだ・・・腹が痛い。下腹部も重く、焼けるようだ。
明日に続きましゅ。
9月12日 救急病院A&EAmbulanceとは、元来「移動」や「歩行」を意味するものだ。歩く病院としていつも近くにあれば、備えとなって憂いも少なくなるだろう、ということだろうか。だから、正式な名前にすると、ambulance carになる。
いやいや、
こういうウンチクはどうでもいい。でも、書いてしまう性(さが)なのよ。
さて、昨日の続き、
NHS(国民健康保険)の救急病院は24時間体制で、A&E(Accident & Emergency)と言う。以前はcasualty departmentと言ったんですが、いつの頃からか呼び方が変わっていた。Casulatyという救急医療のテレビドラマもあるが、これは日本でも放映されたことがある。と思う。結構生々しくて、落ち込ませるんですが、土曜日の夕方にも関わらず結構人気番組だが、拙はこれからその実際を経験するわけ。
ここに着くなり、また歩かされるのか、と思ったら、ベッドがスライドして、外に放り出された。
妻は救急隊員たちと談笑している。
パニクっているような年齢じゃないし、柄じゃないしね。
妻はムダに騒がない。自分がよく見えている。
肝が据わっているというやつか。
こういう時は助かる。
救急に着いたので、「ああ、これで痛みから救われる」
と思ったのは大きな間違いだった。
担架の待合室があった。
そこにまたしてもプライオリティ順に並ばされる。
隊員が容態を説明すると、
「んじゃ、ここね」
と、後から怪我人が入るたびに、プライオリティが下げられる。
中には叫んでいる患者もいる。
決して元気なわけではない。
痛みに堪え切れないのだ。
拙とて、堪え切れているわけではないのに・・。
気を失うほどの痛みとは、短時間で肉体からエネルギーを吸い取るのだ。
これまでに、骨折などの怪我の痛み、破裂しそうな恐怖を持った虫垂炎の痛み、直腸の痙攣、腸捻転、痛風などの痛みを味わったことがある。
原因が判らない恐怖、破裂してしまえば死んでしまう恐怖は精神力を蝕む格別な痛みだ。
痛風に至っては、炎熱地獄か切り刻み地獄。いっそのこと、足を切り取ってしまった方が楽になるのではないか。
いずれにしても、どれが一番痛い、などと答えることは不可能だ。今の痛みが一番痛いに決まっている。 それでも、順番は徐々に進む。
いつかは医者にめぐり合える。
その時にはこの痛みも笑い話になるだろう。
ベッドは近いぞ。
頑張れ!牧歌。
でも、こんなに長時間の痛みに耐えるなんてこと、日本ではありえないんじゃないだろうか。
明日もこの続き。
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9月11日 すわ!救急車拙の発病の経過、
妻は英人のくせに体裁を気にする。
まあ、それほど大げさにすることもないでしょう、ということで、救急車は呼ばずに時間外診療に電話を掛けてみる。
拙は便器を壊れんばかりに抱きしめて悶絶する中、もはや思考能力はない。
妻のしていることを信頼するだけだ。
何度か連絡してやっと繋がった。
長々と当方の詳細を告げるのだが、英国人はこういうときでも、決して余裕を失わない。
笑顔と笑声で対応する。
悶絶するこちらとしては、そのやり取りを聞いていて、苛立つばかり。
「なんで救急車を呼ばないんか!」
拙は叫ぶ。
「腎臓が破裂する病気かも知れんぞ」
などと、思ってもいなかったことを叫んで、自らを恐怖に誘(いざな)う。
・・・そんな病気あるんか?
「アホか俺は・・」
と思うものの、こういうときでものんびりした態度を崩さない英国人が忌々しい。
容態を999に告げると、
痛いのは大変だが、緊急性はないようだから、プライオリティをチェックしてから折り返し電話する、とのこと。
「プ、プライオリティ~い~、んーだから、公共のものは嫌なんだ。何でも、公平に扱おうとする。俺様の命がお前(妻)にとって、誰か他の奴と公平に扱えるのか。論破して、今すぐ来い、と伝えろ」
と無茶苦茶な拙。拙の気性を知っているから、ちょっとやそっとでは動じない妻の免疫を作ってしまったのは、拙自身である。
悶絶すること、2時間あまり、その間に何度か気を失った。
そして、急を告げられた筈の救急車がのんびりとやって来た。
その間に、妻は父に連絡して、今晩は子供たちと一緒に過ごして欲しいと依頼。
来なくても良いのに、義母も来て、妻が夜中の3時半に帰宅すると、義父母は取り替えたばかりのシーツのダブルベッドで寝ていたそうな。
救急隊員は土足で玄関から入って来た。
こんな時にもこういうことが気になる拙。
脱げ、と言ったところで病人のたわ言としか思わないだろう。
ましてや、安全法を理由に彼らは決して靴を脱がない。
脱いで怪我したら、それは自分の責任になる。
そんなことも考えて、勝手口からタイル張りの台所に入らせるように、子供たちに頼んだ。
・・・、筈だった。
勝手口なら担架も通るからだ。
発作の軽くなった時に子供たちに告げた筈だった。
でも、夢うつつのまますべてのコトは運んだ。
拙は隊員に支えられて玄関から歩いて出た。
寒い、朦朧としている、吐き気がする、わき腹の中で何かがよじれて踊っている。
俺の身体の中で勝手に暴れるな!
暴れるのなら外でやんな。
・・・なんか、それも痛そう。
隊員はいろいろな処置をやったそうだが、拙には一向に効果はなかった。
ただ、ただ悪寒がして、身体中のものを全部吐き出してしまいたかった。
救急病院まで20分弱の道のり、拙はここでも悶絶を繰り返し、何度か気を失った。
ああ、ブログ書けないなあ、と最初に思ったのもこのときだったか・・・。
明日に続く。
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9月10日 皆勤狙ってたのに~。9月5日(月)20時半ごろ、つまり日本では9月6日(火)朝5時半ごろ。
それは、突然のことでした。
右わき腹が熱く、痛くなって、目眩がして来たのは、友人宛のメイルを書いていたとき、
「あれれ、なんか変だぞ」
と思う間もなく、
歩けなくなり、吐き気がして、便壷、もといウォーター・クロゼット(WC)を目指して、這い回っていると、
ようやく気がついた妻は、
「何やってんの?」
「バカヤロウ、これが雑巾掛けに見えるか、救急車を呼んでくれ!ウプゥッ!!」
原因不明で、未知の激痛に襲われたんです。
この6日付け記事から今日までの空白はそのためです。
まあ、そこからいろいろなドラマを経て、今日に至り、ようやく家に戻ったわけです。
英国で入院したのも初めてなら、自分のことで救急車を使ったのも初めてでした。
妻にもたくさん迷惑掛けちゃったなあ。
やはり、ありがたいねえ。
さて、これからの数日間は主に、この5日間のドラマを通じて、拙の思ったこと、考えたことをここで紹介して行くつもりです。
ランキングを支えていてくれた皆さん、どうも有難うございます。どれくらい下がっちゃったかなあ、と気にしていました。入院中はIT環境になかったので、痛みに耐えながら、仕事の読み物とネタをノートに書いていました。
本日も復帰記念、応援クリック宜しくお願いします。http://blog.with2.net/link.php/29834
8月11日 緩慢な自殺BBQで動物性の焦げを食べることもそのひとつだが、
他にもいろいろあるなあ、と。
喫煙もそうだし、
受動喫煙も同じだろうし、
痛飲も毎日続けりゃ(これは経験済み)命に関わるくらいの変調を来たすし、
いつ発病するか判らない狂牛病も、牛肉を食べただけじゃなくて、英国の草原を歩いただけで疑われるしなあ。
あと、カロリーの摂り過ぎによる病気も緩慢な自殺に入るんじゃないかな。
罹病率の80%が肥満者という統計もある。
こうして考えると、普通に生きているだけで、けっこう死に至る積み重ねをしちいるってことだね。
決して悲観的じゃなくて、現実的でしょ。
こういうことが事実である以上、じゃあ、何をしようかと考えることが積極的思考に繋がるわけだから、事実を受け取って、どよ~んと暗くなることと、しっかりと現実を直視することは全然違うわけです。
まあ、一旦暗くなってもいいと思うけどね。ほどほどに。
でも、いつ発病するか判らない病気に備えることは現実的だろうか、というヒトもいそうだなあ。
そういうヒトには「歴史や環境学や医学の勉強をしてね」
と言いたい。
「愚者は経験から学ぶ、賢者は学問で学ぶ」
コトが起きてからでは遅いのよ~ん。
緩慢な自殺の原因となる事柄は、なんとな~く避けられないことでもあるし、嗜好であったり、病み付きになったりすることだから、制御出来ない場合はそのまま自殺に向かっていることになる。死にたくない筈なのに、判っちゃいるのに、止められない。
こんなことを考えるのも年齢を重ねたからでしょうか。
まだ、若いと思ってんだけどね。
先にも述べましたが、もうすぐ誕生日です。
現実です。でも、活きている。
英国に住んでいると、日本に居る時よりも考える時間が長い。
以上、5分間の妄想でした。
10日の一日で1000Hitsを超えました。RSSだけで20アクセスですが、一体なにが起きているのでせう。でも、順位はあまり変わらず。
8月4日 脱衣所スポーツ・クラブでの話です。
社交場が2箇所あります。ひとつは脱衣所、もうひとつはジャクジの中。
脱衣所は単性の世界です。
当たり前ですね。失礼しました。
白人、黒人、インド・パキスタン系、アラブ系、東洋人の様々な人々と会うんですが、皆けっこう挨拶してくれます。圧倒的多数は白人です。
年齢も様々です。
行く時間も一定してないんで、毎日会うわけでもないのに、他愛のない会話から意外なことが聞けて面白かったりします。18歳未満の学生にはフリーパスの定期があるとか、信頼できるプラマー(配管工)やDIY教室の開講の話とか、どこそこの息子が殺人事件の刑期を終えて戻るとか・・・、地元民には欠かせない情報です。
最近商売に成功した、というクルド人のオジサンは、シャワーの後フル○ンで両手を腰に当てながら、
「日本とアメリカはあんなに遠いのに、なんで戦争したんだ」
といきなり聞いてきました。
「露、英、米などの列強が日本とアジアの利益を取ろうとしたから、旧日本の軍部はひとつの共栄圏を作って、アジア全体を守ろうとしたんだけど、戦争に勝てるほど強くなかったんだよ」
あまり英語の得意でなさそうなオジサンは、「ふーん」と言って、自分史を話し始めます。
でも、拙は先を急ぐので、また今度聞かせてね、とその場を去ります。
同性愛者も結構多いです。
指輪、イアリングなどの目印となるサインもありますが、
積極的にアプローチしてくるヒトもいます。
必ずしも美しいヒトたちではないですねえ。
アプローチは婉曲的な話し方で、
「この後バーでも行かない?」式が多く、
必ず身体の話をするか、舐め回すように見ます。
ゲイの知人に拠れば、その舐めまわす見方で、相手をゾクゾクさせる術があるのだそうです。
拙は少し判るような気がしました。
「あ、見られている・・・」
冗談です。
でも、たぶん、そんな感じでしょう。
それにしてもゲイは多い。女性も。
脱衣所のニオイと言えば、カルキ水とデオドラントです。
英人の使うアイテムは、
天花粉(シッカロール)、腋臭スプレー、アフターシェーブ・ローション、コロン、スキン・クリーム。
たまに、タバコの口臭と体臭のするヒトがいます。
全アイテムを使い切ってもタバコだけはニオイが消えません。
運動するのに、タバコは邪魔だろ、と言うと、適度に吸って、適度に運動するから健康に良いんだ、と返されました。
確かに、適度なんでしょう。
その人の体重は130キロあって、ほぼ毎日プールで2往復して顔を真っ赤にして、後はサウナで寝るのだそうです。
飲み過ぎたアルコールは汗で抜けると信じています。
信じるものは天に召されやすいのでしょうか。
高尿酸血漿、心臓病、血圧で問題があるので、医者とクスリも欠かせないそうです。
有料診療に加入しているヒトなので、ナショナル・ヘルスにしか加盟できない人々の邪魔はしてない、と豪快に笑います。
笑う意味が判りません。
でも、付き合いで笑っちゃいます。
脱衣所で意外だったことは、
下着を着けないで、Gパンを履くヒトが多いということ。
男のばやい、
慎重にしないと、ジッパーに挟まっちゃうじゃん?
「なんでパンツ履かないの?」とは、
そういえば、学生時代に「Gパンの下は何もつけないの」と言う女子学生が居たけど、
彼女の場合は靴下のことでした。
つい、言ってしまった後で、「あ、やばい」という表情、
そこで取り繕ったコトバであることは見え見え。
彼女はそんなに美人じゃなかったけど、以後、学内で男性の心を掴む存在となりました。
「脱がす手間が省ける女」として・・・。
それにしても、諸肌ジーンズのオジサンたち、
前面に障害物のない女性ならまだ判るけど、男がなぜ?
蒸れないため?
普段、蒸らしてんのか??
7月6日 おせっかいなインストラクター仕事でロンドンに行く日以外は毎日プールに行っているんですが、
時々不満があります。
伝えるのはレセプションか監視員かインストラクターのいずれか。
拙は筋力トレーニングをやっているとうつ病になってしまいそうになるので、
これを一切やりません。水泳一筋です。
ところが、拙の担当のインストラクターが来て、拙にあれこれ勧めるのです。
「アナタはもうちょっとフィットになった方がいいですね」
「はあ?毎日1キロ泳いで、腕の筋肉もこの通りだよ」
「で、でも、下肢を使うこういう運動が足りないんじゃないかな、と思うんですが・・・」
「だから、膝と腰が悪いからクロールと背泳とヨガだけにしてるって健康レポートにも言ってんじゃん。完全な身体なら、こんなとこ来ないで野球やバスケをやってますよ」
「じゃあ、復帰プログラムを作りましょう。徐々に負荷を掛けて・・・」
「あのねえ、この国じゃまともなレベルじゃ僕の好きなスポーツはないんだよ。もういいから放っておいてくれる?」
なーんか、拙の運動能力を信じたくないような態度。
二日酔いでも25分で1キロ泳ぐのになあ。
一度、彼女の目の前でパフォーマンスでも見せればいいかな。ジムの中を逆立ちで走るとか。
英国の救急車って予約できるんだっけ?
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7月3日 アナタが愛するヒトのためにホントは本日まだハイド・パークで続いているMake Poverty Historyについての記事にしようと思っていたけど、間違ってストックを更新に使ってしまった。
この活動には、ちょっと共感できない部分がある。そのことを詳しく述べたかったが、今日を外すとあまり意味がないので、拙のNGO職員時代の経験を絡めて、またの機会にします。この集いは日本でもやるんでしょ。
さて、原題に沿って・・・、
最近の英国のテレビ番組はLittle Angel、Fat Nationなど子供の情操、食育をテーマにしたものが目立ちます。
それも相当な問題のある例を専門のカウンセラーが分析して、親にアドバイスをして徐々に改善していくという筋書き。
以前取り上げたジェイミー・オリバーが給食改善に関わった学校の例を覚えていますか?「カテゴリ」の「健康」を参照されたし。
給食を嫌って持参する昼ごはんがすべて砂糖菓子かチョコレートという子供たちとその親、そして料理の出来ない給食のオバサンたちをジェイミーが教育するという試みです。
料理の出来ない給食のオバサンって、本当に居るんです。彼女たちの仕事は出来合いのレトルトものを温めるだけで終わりだからです。
このオバサンたち、最初は嫌々ながらジェイミーの指導についてきましたが、作業が進むにつれ、本当においしいモノが新鮮な食材から作られることを知ったか、思い出したかで、態度がまったく変わってしまいました。自分たちのやっていることは調理じゃない。子供たちの健康を考えなくてはならないなど。
母親たちも割りと簡単でした。こういう食事をしていると、将来どうなるか、というシュミレーションをCGで行うと、23歳になった自分の子供たちが40代の太り過ぎにしか見えないこと、寿命も短命であることに涙する親たちもいました。これでは愛する子供たちが自ら生存する知恵が付かない、と自覚したところで、ジェイミーのプロジェクト、「健康な食品を摂ろう」に賛同します。
人間が健康になるには、食品そのものが健康でなくてはならない、加工しすぎて原型とは異なる不健康食を食べないという考え方です。日本は多食多彩の国ですから、例外を除き、健康食品の考え方が英国と比べてかなり浸透していると思います。この辺の詳細は英国の権威団体ソイル・アソシエーションで説明しているとは何度か申し上げました。
強敵は子供たちです。普段は自分たちの好きなモノしか食べていないので、ジェイミーの作った普通のモノが食べられません。まず、口にしようとしない。数日掛けて、ようやく口にしても人前で吐き出す。その状態で何日も泣いている。これが現実の10歳の子供たちの姿なのです。
彼らがどうやってそういう自然食材のものを受け付けるようになったかは、番組では触れませんでしたが、数週間を掛けて誰もがジェイミーの作った普通よりもおいしいものを食べられるようになりました。親たちも家庭の中でかなりの葛藤があったようです。でも、それって拙に言わせれば自業自得だと。
この番組を見て、英国も改善されていくのかなあ、と思ったんですが、夏休みのように長いタームの休みに、拙宅に遊びに来る子供たちに食事を出すと、野菜にはまず手をつけません。説明しても、あまり反応はありません。その家族と一緒に外食に行っても、子供たちは食事を殆どせず、デザートを平らげるだけです。
両親は子供の健康の責任を負っている筈なのに、子供の人格を尊重するのは良いんですが、捻じ曲がった認識と安易な考えのもと、子供の嫌いなものを認めてあげるばかりで、子育ての責任の本質を忘れているようです。
こうした子育てや食育の現状に、日英差を感じられるんですが、でも、最近の日本の事情はどうなんでしょう。楽しいけど、意味のない料理番組ってのも多かったような気が・・・。
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3月7日 Obesityの次に来るもの医師をしている日本人の友人の話でも、日本人の隠れ肥満、特に20代の女性に多いのが、痩せて見えるけれどお腹がぽっこり出ている体型。下半身に脂肪が溜まって血行不良を起こす。これは日本人の体質だそうです。2,30年前よりも背は高くなっても脚の長さは伸びていないのは、内臓の形態が西洋人と異なるから。日本人はそういう体型なのに、食生活は身体に合わない肉食になってしまって、それが代謝できない隠れ肥満になっている。 また、腿が細くても脂肪率の高いヒトの体型は血管が圧迫されているので、間違いなく冷え性だそうです。これは漢方医の話です。 英国ではそのソイル・アソシエーション(Soil Association、以下SA)が自然食品の厳密なチェック機能を受け持っています。ここは慈善事業団体であり、政府や商業活動に対する圧力団体でもあります。彼らは独自に収支のシステムを持って、健全に経営していますから、ひも付きの援助などという不公正なことは興り得ません。英国を良くしたいという意図ではなくて、世の中を良くしたいという使命感があります。拙もこういう種類の団体と関わりを持っていますが、直接関わらずとも自分次第でその事業に協賛したり、手助けが出来るものです。 さて、ジェイミー・オリバーが驚いたこと、つまり食事に対する子供たちの無知や不健康の原因が何か、ということになると、それは親の教育、特に「食育」ということに及んできます。現在の20代から40代の親の食生活は、給食と同じような冷凍加工食品がその比重を占めています。これははっきり言って、かなりの危機的状況です。食事が不味いとか、美味いという以前の問題です。自分たちの肉体を作る、維持するために行うべきこと、食べるものを知らないで、欲望の赴くままに好きなものばかりを食べている、というのが彼らの状況なのです。 日本人の皆さんでも、多少自覚のあるヒトもいるでしょう。Obesityについては、特に女性に問題があるという言い方をしましたが、もちろん男性も要注意です。拙のように標準体重の筋肉質でありながら痛風になってしまう場合もあります。これも肥満関係の病気とされてしまいます。拙の場合は美食家ではなく、豪飲と遺伝体質が原因でしたが、痛飲は理性の欠如と反省しています。 現在、英国ではこのSAの働きかけで、肥満関係の病気で年間に約25億ポンド(約5000億円)の拠出を避けられない政府と、学校と地方政府が一体となって、健康な食品を子供たちの世界に導入する計画を進めています。様々な地方で行うことで、その流通の問題、何が自給できて、何が出来ないか、労働力の再編成、学校の食事の改善と食育、新しい労働市場、環境汚染をしない流通、新しい産業の創出、オーガニックフードの一般化、廉価化などなど、様々な面にメリットを見出した構成を現出しつつあります。ある地区の事業にはチャールズ皇太子も参画して、彼自身のオーガニック会社も堅実なマーケティング戦略によって、大変に潤っています。 SAの提唱するこのコンセプト全体がよく考えられていることは、ウェブにアクセスして英語を読むのを堪えていただければ判っていただけると思います。特に読んでいただきたいのは「Food for Life」というプロジェクトの部分です。ここには具体的な方策が書かれています。 英国の食糧事情の流れは簡単に言うと、加工食品化が1980年代から急速に進んで肥満が増大。食と健康との関係を認めたがらない人々が食事の代わりにスイーツを頬張るようになった。子供に食事をさせるのが面倒な親もそのまま、食育ということもせずに、飽食に明かした生活をしているうちにどんどん不健康な人間が増えた、ということです。危機感を抱いたのは、SAだけではなく、広く一般の人々も同じでした。ただ、基本的な食育を必要とする大人がこの国には40%はいるだろうと考えられています。 日本人独特の隠れ肥満はまだ大きな問題になっていませんし、中途半端な医療負担制度の関係から考えると、政府がObesity問題として取り上げることはないと思います。まあ、でも自分の身体ですからね。バーガー食いすぎたのは、お前のせいだ、と言ってバーガー屋を提訴して自己管理の出来ない責任を転嫁する話はありえないでしょう。理性でモノを食べていたら、なんか旨く無さそうですが、少量の選び方、人間の身体の作り方、健康維持の仕方、食べ方という分野が専門化されるのもそう遠くはないような気がします。 拙もそうですが、こうしたNGOやNPO関係に数年勤めながら、また実業の世界に戻って、再び他のNGOに勤めるというのは、欧米ではよくあることです。そうすることで、企業活動と社会活動との乖離が埋まり、企業活動はあるべき姿へと変質して行っているのです。これは就職のヒントにもなりませんか?アナタが本当に目指すべきものが判るかもしれません。 時間がないので、まとまりのない文章になってしまいました。でも、これは何とかして皆さんにお伝えするべき社会問題ではないか、と。明日は更新できるかなあ。ネタはあるけど、書く時間がない。てな、ことで応援クリックお願いします。http://blog.with2.net/link.php/29834 3月6日 Obesityというコトバ今日は、Twirl、チョコレート、フルーツ・パスティル(グミ)。 明日はマシュマロ、リカリッシュ、M&M、キットカット。 これ、何のことだと思います? 英国の子供たちが給食を嫌って、学校に持って来る昼ごはんです。全部砂糖菓子。 この子のお母さんはオーガニック指向です。5人兄弟の健康家族。息子の友達の妹。 一昨日、有名シェフのジェイミー・オリバーが出演する企画番組でオンエアされた内容は、英国の食事の危機を物語っていました。まず、彼が10歳の子供たちの教室に入って、質問します。 「好きな食べ物は?」 「バーガー」 「チョコレート」 「トフィー」 「アイスクリーム」 「じゃあ、2番目に好きな食べ物は?」 「スイーツ」 「チョコレート」 「アイスクリーム」 「トフィー」 「では、これは何?」 ジェイミーがアスパラガスを手に持っています。 「オニオン」 「セロリ」 「きうり」 「ブロッコリ」 「・・・・」 26名中、正解者無し。 困惑の表情のジェイミーはテレビカメラに向かって囁きました。 "Amazing・・・・・・” 「驚き・・・」 ジェイミーの訪れた学校がたまたまそうだったのでしょうか。いえいえ、そうではありません。この番組の企画者はよく勉強しています。この昼食と食品知識の事実は既に全国統計が取られ、ソイル・アソシエーションのデータとしてウェブにも記載されています。英国内の半分以上の子供が学校給食を嫌い、家から持参する弁当はお菓子ばかりである、という状況です。 英国人の買い物の仕方を見ていればよく判りますが、彼らの多くが生鮮品を一切購入せずに、調理の簡単な加工品、冷凍食、出来合い、缶詰を購入しています。これは先だってのプラウマンから派生する現象だ、と考えられています。食事を素材から作らないヒトが結構多いんです。だから、当然その子供たちはその野菜などの原型を知りません。 しかも、子供たちの嫌う給食自体にも問題があります。食事はバリエーションが少なく、殆どが本来の形や性質を失った鳥だか魚だかわけの判らなくなった「加工肉」の揚げ物などのプロセスフード(加工食品)です。コストや安いけど、脂質もカロリーも高いものです。そして、子供たちが学校給食を嫌う理由は、健康とは別のところにあって、「甘くないから」だそうです。 こういう子供たちですから、当然のように健康上の問題が起きます。中には6週間も排便のない子供がいるそうですが、マジョリティの問題は表題のObesity(オビシティ)、つまり肥満なんです。割合で言うと、英国はアメリカに次ぐ肥満大国です。食べる量は少なくても、野菜をまったく食べないから腸が機能しなくなり、便が体内に溜まって、その残存栄養素を吸収した肉体が肥満化するわけです。もちろん、偏食や過食もその原因で、この国の人々の太り方は尋常じゃありません。 ああ、今日も恐ろしい話になってしまった。 それにしても、何でそないな昼食を親が許すのか?「嫌いなものは食べなくていいのよ」と、人格を無理に尊重するあまり、好き嫌いを失くす工夫をしていない、という各論以前に、子供の身体と人生を作ってやる責任を子育ての総論として認識していないヒトたちが親になっているものと、思うんですが・・・。 なんか、世の中って、凄いことになっています。 この話は明日も続けますので応援クリックお願いします。 http://blog.with2.net/link.php/29834 |
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